新年あけましておめでとうございます。
皆様におかれましては、つつがなく新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて昨年は、新年の幕開けと共に新型コロナウイルスの第6波が押し寄せ、厳しい年初となりましたが、春を迎える頃にはその流行も一段落し、様々な制限が緩和され、ウイズコロナを念頭に本格的な経済回復に向けて動き出しました。
しかし、その出足を挫くように2月にロシアがウクライナを侵攻、アメリカの度重なる利上げの影響などにより3月以降円安が加速し、年初に115円台をつけていた為替相場は10月には32年ぶりに150円台まで上昇しました。このような世界情勢の煽りを受け、国内では原材料価格、エネルギー価格が高騰、消費者物価が上昇し、社会経済活動の回復に大きな影響を及ぼしました。
そうした中にあって、新型コロナウイルスの制限緩和以降、高額品を中心に百貨店売上高が連続して前年同月を上回る一方、秋に導入された全国旅行支援などの後押しで観光が活況を取り戻し、久しぶりに観光地に人が溢れる姿が見られました。当組合では、5月に3年ぶりとなる対面での総会・組合員大会を開催し、改めて、皆様と実際に顔を合わせて、懇親を深めることの大事さを強く感じたところです。
また、組合活動は出来る限り平時に戻すことを意識して、「十三まいり」「七五三詣り」「きものの日広告塔コンクール」「きものオーディション」等の振興事業や部会事業、経営情報事業や厚生事業など、当初計画の通り事業を進めると共に、コロナ禍で得た新たな知見を活かして、オンラインとリアルのハイブリッド方式による理事会や研修会の開催にもチャレンジしました。この3年間、これまで当たり前と思っていたことを改めて見つめ直す機会を得て、多くの新たな気づきがありました。この気づきを成長の糧としてどの様に活かしていくか、コロナ禍の負の遺産をどの様にクリアしていくか、本年は私たち一人一人の行動が問われる年になることでしょう。
繊維業界は、原料、製糸、製織や染色、加工、販売、そしてアフターメンテナンスに至る多くの関連事業者が互いに支え合い、それぞれの役割を果たしていく事で成り立っています。全てのステークホルダーが最適なバトンを繋いでいくこと、それこそが業界に携わる者の最も重要な使命です。サプライチェーン全体で共存共栄関係を強固なものとしていくために、皆様と共に想いを一つに取り組んで参りたいと考えております。
結びにあたり、本年が皆さまにとって良い年でありますようご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。
令和 5 年 1 月 1 日
京 都 織 物 卸 商 業 組 合
理事長 野瀬 兼治郎